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『──留守番電話センターに、接続します』
何度かけても、田尾さんは出ませんでした。
でも、そんなことは、半分分かっていました。
旦那も、よっぽど馬鹿でなければ、田尾さんに、
「知らない番号からかかってきたら、出ないで下さい!嫁がかけるかもしれないから」
ぐらいは言っているはずです。
さっき私が旦那の手から取り上げたときに見た 田尾さんの✉「了解」だって、その返事かもしれません。
だいいち、本当に電話をかけられたくなければ、私がかけようとしたときに、もっと本気で、力ずくで止めるはずです。
やっぱり旦那は、私からの電話に田尾さんが出ないことを知っている…
「携帯出ないよ?自宅の番号は?分かんないの?」
「自宅までは分かんないよ💦」
(嘘つけっ‼昨日自分で削除したくせに😠💢)
「連絡とれないじゃん!😣
…そういえばタカシ、前の携帯は?」
もう、流れが不自然だろうと構いませんでした。とにかくここで、前の携帯を出させる!
──しかし、
「前の携帯ね、会社にある」
旦那は即答しました。
………(∵)?
私は旦那の顔をじっと見てもう一度、
「前の携帯はどこ?」
「会社だよ😅」
「まえのけいたいどこ?」
「だから会社…」
「ま・え・の・け・い・た・い・ど・こ」
・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・
「あっちの部屋にある💦💦今持ってくる💦💦」🏃🚪
この人…
こんなにシレッと…
嘘吐くんだ💧
しかも、結構言い張ったぞ?
───とか❗感心してる場合じゃない‼
私は旦那を追い掛けました🏃🏃🚪
すると、私が昨晩戻しておいた場所ではなく、会社用のかばんの中から、旦那は前の携帯を取り出しました。
・・・考えてないようで、この人結構いろいろやってる😓
油断できないと思いました。
私は危うく大事な証拠を失うところだったのです…
さて、私は旦那の前の携帯から、田尾さんを調べ、
「自宅番号あるじゃん‼今の携帯の方削除したでしょ⁉」
と、問い詰めながら、田尾さんの自宅に電話するつもりでした。
しかし、
…‼
田尾さんの自宅番号は、ありませんでした。
昨日の夜中までは確かにあったのに。
削除するとすれば、それは私が不覚にも眠ってしまった、空白の3時間…
旦那め…なかなかやる…
「私が寝てる間に…何か、削除したでしょ?😒」
「してないよっ‼」
──ああ男は、自信満々に嘘を吐く
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