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「何って…?」
「だから…ざっと見ただけだけど、かなり下ろしてるやん?お金。
ちゃんと説明してくれないかな」
私はもう、率直に聞きました。
「いや、説明って俺はもうなにも隠してることはないし…何に使ったって言われても、分かんない!思い出せない!」
そんな説明(言い訳)で、誰が納得できると言うのでしょう…
しかし、「分かんない!」「思い出せない!」と言い切るのはある意味、コレ最強…
しらばっくれるが勝ち的発想です。
お気付きかもしれませんが、私だってかなりしつこいです。
「絶対吐かせてやる😠💨」勢いで問い詰めましたが、この時の旦那、最後の砦を守るかの様に、「分かんない!」「憶えてない!」を貫きました。
「今日は日曜日で通帳記入ができないから、ここ数ヵ月のことは、今は分からない。
でも明日、私は朝一で通帳記入をしに行くつもり。」
「うん…」
「でさ、いつも、JAから銀行にお金を移すの、タカシがやってくれてたけど…
JAで下ろした金額より、銀行に入金した金額が少なければ、その差額もタカシの懐に入ってるってことだよね?」
「…」
「私なら、そこで差額を作る。」
「どうだろ…💧覚えてないな…💧💧
でもさ!なんだかんだでお金って減ってくものなんだって!」
旦那の説明には全く説得力はありませんでしたが、この日は旦那に押し切られました。
私は多分、終始、悲惨な顔をしていたのでしょう。
旦那は、そんな空気を変えるべく、さっきまで行っていたモデルハウス見学で聞いてきたことについて、説明を始めました。
「屋根はこの形がカッコイイと思うんだ‼」
「間取りはこうした方が広く感じるよね‼」
旦那は一生懸命話していましたが、私は相槌を打ちながらも、上の空でした。
──しばらくすると、はながやってきました。
は「来たった😏✌」
私「ハイハイ(笑)」
どってことないいつものやりとりが、この日はやけに楽しくて、ありがたくて。
ここ数日の暗い気分を、はながいてくれた時間だけは、忘れられました。
はなに悟られまいと、私は旦那にも、いつもの様にできるだけ自然に、笑顔で接しました。
いえ、普段以上にハイテンションだったかもしれません。
旦那…さぞ気持悪かったことでしょう。
餃子を作るのは、初めてだった私。
限りなくモヤモヤを抱えて私は、まさに一心不乱に餃子を包みました。
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