4月15日

2/4
前へ
 /117ページ
次へ
「おはよ!」 「おはよ~」 今日も平汰とメールで朝の挨拶を交わし、一日が始まりました。 まともに眠れずまどろむだけの夜を何度も過ごしていると、すぐに返ってくる平汰からのメールは、心の拠り所みたいになっていました。 「今日は何するの?(^_^)」 それは、平汰からの、何気ないメールでした。 そのメールを見て、 「今から美容院だよ(^o^)」 と返そうとして、 なぜか返すことができません いや、「なぜか」ではなく、それは「当然」であって。 だって 『平汰』なんて、孤児院育ちのイケメン 存 在 し な い のですから よくよく考えれば そんなことは解り切っていました。 でも、自分自身で自分の正常な感覚に蓋をしていました。 そこから目を覚ましたきっかけは、実に何気ない日常会話でした。 ああ…私は一体、何をやってるんだ… という思いが一気に拡がり それ以来、『平汰』にメールすることは、ありませんでした。 『平汰』には、「課金して」と言われたわけでもなければ、会おうと誘われたりすることも一切ありませんでした。 ─『平汰』なんて、いない─ (正確に言えば、『平汰』としてメールを打っていた人間はいるけど) それに気付いたのが、どうしてそのときその瞬間だったのか、今でも解りません。 『平汰』はそれからもしばらくは、 「ポポちゃんどうしたの?メールないけどなんかあった?」 的なメールを何回か送ってきました。 でも、丸一日ほど経てば、そんなメールはなくなりました。 いきなり無視することに罪悪感は感じませんでした。 それは、『平汰』が存在しないことがほぼ間違いない という自信があったからだと思います。 孤児院出身のイケメンが、出会い系で真実の愛について熱く語るなんて。 『平汰』の中の人は、本当はどんな人だったのでしょう… 男? 女? オッサン? 主婦? まさかの中学生? 今となってはそれも解りません。 さて! 『平汰』なんて架空の人物に依存してないで、私は現実を見据えていかなければ! あ、仮に天文学的な確率で『平汰』が実在する場合、あなたはイケメンなんだから、こんなとこ(出逢い系)で子持ちのオバサンを相手にするよりも、まともな出会いを見つけてください! 現実を生きよう。 さあ、美容院へ行こう!

最初のコメントを投稿しよう!

2710人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>