タイムマシーン

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「出資者様、新聞社の方々、ようこそいらっしゃいました!」 博士が登壇して挨拶をするとあちらこちらから拍手が起きた。 「この度、ついに完成しました!それではご覧ください、タイムマシーンです!」 かぶせられた布が取り払われるとタイムマシーンの機体が現れた。 「タイムマシーンは過去や未来にも行くことができます!これで人類は新たな段階に上がったと言えるでしょう!」 会場のボルテージが高まる中博士は更に続けた。 「ここで実演致しましょう。分かりやすいように3分後に跳びます」 博士はタイムマシーンに乗り込み計器の操作を始めた。 僕は袖の陰でその様子を見ていた。そしてこの時間跳躍は失敗する事も知っていた。別に機械に細工をしている訳では無かった。ただ機械の操作ミスだったのだ。そして彼は未来に行くどころか過去へと跳び体は縮み子供へ退化していく。ついた先は18年前のここだった。以前の記憶があるからタイムマシーンを作ろうとは思わない。そうして成長していき、24才になった頃街を歩いていると白髪の老人に話しかけられるのだ。 つまり僕はF博士なのだ。だが過去を変えようとは思わない。僕が過去へ跳んだあとなにが起きたのか知りたいからだ。 博士を乗せたタイムマシーンは過去へ向かい消えた。その時来ていた人達は歓声を上げた。だが、3分を過ぎても出てくる事は無かった。 「おい、どうなってるんだ!」 来場者の1人が声を上げると場内は騒がしくなっていった。場を鎮めようと登壇すると人々は僕を問い詰めようと壇上に上がってきた。つかみかかる人もいた。 来た人達が帰ると僕と室内はボロボロになっていた。
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