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オレが目を覚ますとガタガタと音を出して地面が揺れていた。
いろいろ荷物が周りにおいてあり、天井は布で覆われていた。
おそらくさっきの馬車の中だと思う。
オレは起き上がり前に移動しようとする。
「いつつ……」
頭に頭痛が走り壁に手をつく。
オレは壁に沿って前まで来た。
掛かっている布を開けるとおっさんが一人二匹の馬の手綱を持っていた。
「お、起きたか!」
おっさんはオレに気づくと隣を叩く。
座れと言うことか。
オレはそのままおっさんの隣に座った。
「いやー、こんな道でいきなり出てくるんだもんな。びっくりしちまってよ。生きててよかったよ、ホントに!冬馬くんはずいぶん身体強化がうまいんだなぁ!」
おっさんはバシバシ背中を叩いてくる。
身体強化のおかげで助かったのか。
ん?このおっさんなんでオレの名前知ってんだ?
「ちょっとおっさん、なんでオレの名前知ってんだよ」
「おっさんってひどいなぁ」
おっさんは笑いながら続ける。
「やっぱり覚えてないか。オレは商人のウガンダって言うんだ。1ヶ月くらい前かな?俺もフィオーネ国に来たんだよ」
ちょうどオレが来たくらいの時期か。
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