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「で?」
「やっぱり覚えてないよな。冬馬くんがフィオーネ国に来たとき一緒にいたのがナタリア様だろ?あーあ、俺も見つけていればな」
このおっさんどこまで知ってやがる。
ん?待てよ。
たしかあの時門の前で並んでたとき後ろのおっさんにちょっとだけ話しかけられたな。
まさかな。
しかしまあとりあえず聞いてみよう。
「おっさんもしかしてあの時オレの後ろに並んでた人か?」
「おお、覚えてるじゃないか。いやー、あの後君がナタリア様を連れ帰ってきたってニュースを見たときは驚いたね」
おっさんは嬉しそうに笑いながら言う。
「覚えてる訳ないだろ!どうしてあんなちょこっと話したぐらいで覚えてると思ったんだよ」
「そ、そうか」
おっさんは残念そうに肩を落とす。
あーあ、今自分がどこにいるかわかんないし、エクリオルはどこ行ったのかわかんなくなっちゃったし。
「そういえばおっさん旅商人って言ってたよな?なんで1ヶ月もフィオーネ国に?」
「ウガンダ」
おっさんに訂正される。
「ウガンダ……さん」
「よし」
ウガンダさんは満足そうに笑う。
「いやな、なんで1ヶ月もいたかって言うとな、まあ居心地がよくていつの間にか1ヶ月たってたんだよ」
ウガンダさんは笑っている。
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