~新たな土地~

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外に出ると昨日の馬車が出ていた。 「ちょっと手伝ってくれよ」 ウガンダさんはそう言って家の裏に回る。 そこには荷物が積まれていた。 「これを運んでくれ」 「なんだよ、これ」 「売り物だよ。一応補給しようと思ってな」 まあ、しょうがないから荷物運びを手伝う。 「よし、これで全部か」 ウガンダさんが最後の一つを積み込んだ。 「やっと、終わったか」 オレも一息つく。 「よし、じゃあいくぞ」 ウガンダさんは馬車に乗り込む。 オレも続いて乗り込む。 すると、家のドアが開く。 中からエリダさんとタニアちゃんが出てきた。 「もう行くのね」 エリダさんがウガンダさんに話しかける。 「ああ。でも、すぐ帰ってくるからな」 「すぐに帰ってきたらぶっ飛ばすからね」 エリダさんは拳を握って言う。 おっかね。 「じゃあ、行くよ」 ウガンダさんが鞭を叩くと馬が走り出す。 後ろを見るとエリダさんとタニアちゃんが手を振っている。 「どうだ、いい家族だっただろう?」 「ホントにな。あんたにはもったいないくらいだ」 「ハハハ。冬馬くんもいつかいい嫁と巡り会えるといいな」 ウガンダさんはオレの嫌みに笑って返す。
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