~新たな土地~

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家族か…… オレが元の世界で普通に暮らしていたら家族は出来たんだろうか。 こっちの世界でオレは家族を持てるのだろうか。 オレがそんなことを考えている間も馬車は進んでいく。 馬車が進んで最初の山の中腹辺りで馬が急に止まった。 「む」 ウガンダさんが手綱を叩いても馬は進もうとしない。 「どうやら冬馬くんの出番のようだぜ」 道の先を見ると虎のような魔物がこっちを見ていた。 あいつに怯えて馬は動かなかったのか。 「お手並み拝見だな」 ウガンダさんは腕組みしながらオレを見ている。 「はいはい、行きますよ」 オレは馬車を降りて馬の前にでる。 「さあ、かかってこい」 鎌を出して構える。 ダジャレじゃないよ。 魔物はじっとこちらを睨みつけて動かない。 睨まれるの怖いな。 しかし、全然動く気配がしないな。 魔物は睨みつけたままだ。 そのとき背後から微かに足音が聞こえた。 しまった! オレは高く飛び上がり馬車の後ろに回り込む。 そこには今にも馬車に襲いかかろうとしているさっきの魔物と同じ種類の魔物がいた。 「な!?」 ウガンダさんは急に動いたオレに驚く。 オレは落下しながら鎌を魔物に突き刺す。
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