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「ギャウ」
魔物は悲鳴を上げて動かなくなる。
「冬馬くんこっちだ!」
ウガンダさんの声がした。
前の魔物が動いたんだろう。
オレは地面に手をつき土遁を発動する。
すると、地面から馬車を囲むように土の壁がせり上がる。
魔物は壁に思いっきりぶつかる。
「うおっ」
ウガンダさんは突然できた壁と魔物が起こした衝撃に驚く。
オレは素早く魔物の後ろに回り込み首を刈り取る。
魔物の首はゴロンと転がり、体は力なく倒れ込む。
オレは土遁を解除し、壁が泥になって溶ける。
「うおぉ」
ウガンダさんは目の前の凄惨な光景に苦笑いを浮かべる。
確かにやりすぎたかもしれない。
でも、手加減の仕方がわからなかったから……
「まあ、助かったよ。さすがは『オレンジの死神』だな」
死神ね……
オレは鎌を消してウガンダさんの隣に座る。
「はっ!」
ウガンダさんが鞭を叩くと馬車が再び動き出した。
その後も何度かオレが魔物を倒して進んでいき、空は真っ暗になった。
「今日はここで野宿だな」
ウガンダさんは馬車を止めて荷台に入っていく。
そしてテントととある瓶を持ってくる。
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