第1章 怒れる竜の襲撃

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一方ガルドは…奴隷の人間を食べることもなくただ王国を覆う巨大な壁を睨み付ける。 そして…ガルドは何かに気が付いたのかグフフ…と不適に笑った。 どうやらガルドは王国にバリアが張ってあることに気が付いたようだ。 しかし、何故かガルドはバリアで王国に入れないと言うのに不適に笑ったままだった。 ガルド『ククク…。アルドの馬鹿が…。貴様がバリアを貼るのはお見通しだ…。まぁアイツのことだ…どうせ王国一番の魔法が使えるドラゴンに頼んで…それなりの強力なバリアなんだろうが……無駄だ。フハハハ…。こっちには魔法を超えた…闇魔術が使えるドラゴンがいるんだ…。こんなやわな魔法は…無駄だ』 ガルドは王国への入口の巨大な扉の前でバリアを睨みながら、その凶悪な口を不適に笑いながらそう言うと、近くにいたドラゴンに闇魔術が使えるドラゴンを連れてこいと命令すると、再び不適に笑いながらバリアを見上げた。 どうやらガルドのこれほどまでの自信はは闇魔術が使えるドラゴンがいるからなのだろう。 数千年前に滅んだ闇魔術は、闇魔術が使えるドラゴンが滅んだと同時に闇魔術の魔導書は封印され、忘れかけた物となった。 闇魔術とは、相手を殺すため、相手を苦しめるだけに作られた魔法で、最下級の闇魔術でも相手を痺れさせてしまい、上級闇魔術ともなると相手を殺してしまう。 さらに…闇魔術の極意を受け継いだ者だけに使える最上級闇魔術、それは指定した生物全てを滅ぼしてしまうと言う魔術で、これさえ使ってしまえば王国の全てのドラゴンと人間を滅ぼすことも出来る。 しばらくすると、先ほど命令したドラゴンがドラゴン専用と思われる真っ黒のローブを着た漆黒のドラゴンを連れてきた。 ガルド『グフフ…。この邪魔なバリアを消してしまえ…』 ガルドはそう言うと、真っ黒のローブを着た漆黒のドラゴンは頷き、王国の魔法が使えるドラゴンの持っていた魔法書より何倍も分厚く、巨大な魔導書を開いた。 その魔導書はただでさえ巨大なドラゴンでもようやく持てる程巨大な物で、中には古代闇魔術文字がギッシリと書かれ、普通の人間やドラゴンでは数千年前の古代闇魔術文字など読めない。 しかし真っ黒のローブを着た漆黒のドラゴンは腐りかけた紙をめくり、何やら真ん中に古代文字の書かれたサークルが書いてあるページを開くと、訳のわからない言葉を喋りだした。
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