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未来はその言葉に流されながら、
「私のお父さんはあの飛行機のパイロットでお母さんはスチュワーデスでした。でもあの日の天気は雲一つない空で墜落なんかするはずがなかったんです。」
と言った。
未来はそのまま話を続けた。
「お父さんはパイロットして腕もよかったし、あんなになるはずも無いんです。あれは飛行機の整備ミスなんです。あとから調べた結果、あの事故は飛行機の整備ミスでした。」
と言った。
僕は怒りが込み上げてくるのを抑え込んで、
「でもなんで君は、今そんなに明るくいられるんだ?その整備した人が憎くないのか。」
と言った。
未来は、
「両親が亡くなってすぐの頃は、身よりの無い私は施設につれていかれ、一言も話すことをしませんでした。それに怒りもありました。でもそれじゃあ駄目だと気付いたんです。私は、逆に考えたんです。あんな事が二度と起きないためにも、私が整備士になってみんなを守るって。」
と言った。
それを聞いた僕は自分の小ささを恥じた。
未来は、
「だから、これからは自分で稼いで、大学出て整備士にならなくちゃいけないから勉強頑張らなくちゃと思っています。」
と言った。
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