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姉ちゃんは
「何時だと思ってるの。もうご飯とっくに出来てるよ。」
といつものようにお母さんになったつもりで言った。
僕はとりあえず、
「ごめんなさい。」
と言った。
姉ちゃんは、
「早くお風呂に入ってきなさい。そのあとご飯食べるから。」
と言った。
僕は言われたままに自分の部屋に入り、制服をしまってから、お風呂に向かった。
そしてお風呂から上がり、リビングに行くといつものように姉ちゃんの手料理が、並んでいた。
姉ちゃんはいつも決まってご飯のテーマを言う。
今日のテーマは、
「スペシャルハンバーグ。」
だった。
僕は食べながら、少し涙が出てきた。
姉ちゃんはそれに気付くと、
「どうした、空。そんなに姉ちゃんのハンバーグがうまいか。」
と笑いながら言った。
僕は、
「違うんだ。今日友達と話して、その友達、身よりが無いから施設にいるんだけど、それを考えると僕は家族がいてなんて素敵なんだと思っただけだよ。いつも言えないけど、姉ちゃんありがと。」
と言った。
姉ちゃんは涙を浮かべながら、
「空…、友達が出来たのか。」
と言って、お父さんとお母さんの仏壇に行った。
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