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ガタン、ゴトゴト……
険しい山道を、青い毛並みのダチョウのような鳥に引かれた台車が緩やかに進んで行く。
その荷台には、編笠で顔を隠した一人の男が寝転がっていた。
「お客さん、もうそろそろ着きますニャ」
御者を務める獣人族・アイルーの呼び掛けに応じ、荷台の男が編笠を指で持ち上げアイルーの方に顔を向ける。
「そうか。 わりかし早かったな」
見ると、周囲の景色は深緑に覆われた山の斜面になっていた。
「早く温泉でのんびりしたいもんだぜ……ん?」
編笠に当たる感触にふと上を向くと、どす黒い雲に覆われた空が目に入った。
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