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(……ま、仕方ねえか。 <義を見てせざるは勇無きなり>ってな!)
ふと頭に浮かんだ格言に思わず苦笑を浮かべると、男は荷台に載せてあった愛刀<鬼神斬破刀>を引っつかみ、声のした方に向かって駆け出す。
「あ、お客さんどこ行くニャ!?」
「悪い、ちょっと一狩り行ってくる!! 三十分経っても戻って来なかったら、一人で逃げろ!!」
「ち、ちょっと待つニャ!! お客さーーーん!!?」
背後からの困惑の声を振り切り、男は木々の間を駆け抜ける。
「間に合ってくれよ……!」
ふと行く手の空を見上げると、雲の切れ間にふと蛇のような影が見えた――そんな気がした。
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