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本戦初戦の相手が決定した。
あいつと敵として戦うなんて不思議な感じがするが、全力でぶつかるだけだ!
「「「1回戦、敗退!?」」」
部室に響いた声。
「ええ、ですが僅差で負けたそうです。まあ、ちゃんと試合に来ただけましですよ」
確かに去年は地区予選決勝を忘れて遊んでたらしいからな。
「すみません、遅れましたー」
そう言って部室に入ってきたのは音無だった。
「もしかして大海原中のことですか?」
「さすが情報が早いですね。その通りです」
試合にちゃんと来たんでまあいいですよね、と目金と似たようなことを言う。
すると、
プルルル…プルルル…
「あ、私だ。もしもし?」
木野の声が部室に響く。
「うん…。あ、うん。分かった。円堂くん」
「オレ?……もしもし?」
『よっす!』
「つ、綱海!?」
『1回戦で負けちまったぜー。お前らと戦ってるの見たかったんだけどなー』
「オレも戦いたかったぜ。残念だったな」
『ま、オレんとことお前んとこはブロックが違ったから決勝まで行かなきゃだったけどな!…あ、監督が呼んでるから行くな!じゃ!』
ツーツーツー…
「綱海からだったのか」
「なんか、相変わらず楽しそうだったぜあいつ。自分は卒業してもうメンバーじゃないっていうのに」
「それはお前もだろ。来年同じことをお前に言ってやるよ」
円堂の言葉に風丸が突っ込む。
途端に笑いが起こった。
「ま、僕らは1回戦で負けてなんかいられないけどね」
「確かにな」
ニヤリと笑うマックスと同じく笑って頷く豪炎寺。
そして、オレ達の試合の日がやってきた。
「久しぶりだね、皆」
にこ、と笑う雪原のプリンス。
初戦の相手はこいつの学校だ。
去年北海道を訪れた時は弱小だったのに今年は初のフットボールフロンティア出場で全国大会進出。
なんだか去年のオレ達を思い出すぜ!
「今年から女子も出れるようになったでしょ?それで真都路が五月蝿くって。でも僕も出たかったからね。絶対に負けないよ」
「オレ達だって負けないぜ!いい試合にしような!」
「うん!」
各校のキャプテンが手を握り合う。
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