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「住んでるって……フウちゃんの家に?」
「い、いや…あれだ!親戚が泊まりに来てるんだよ!」
俺は必死に誤魔化そうとするが、今の麗は何か冴えているらしく。
「え、でもそれって住んでるって言わないよ。フウちゃんが言ったように泊まってるって言うんじゃ……」
す、鋭いッ…!
すっかり墓穴を掘ってしまい、後が無くなりつつある。
「いやいや!あいつのアレ……言い間違いだって!」
だが俺はまだまだ諦めない!必死の思いでデタラメを連発する。
何故こんなに必死になっているのか。それは、あんな信じられそうにないことを話すと余計厄介になるからだ。絶対に。
そんな俺と麗のやり取りに、またしてもこの男が、
「私は異世界から来たんだが……、貴女は異世界に帰る方法を何か知っているか?」
「「………」」
俺と麗は硬直する。
俺は言いたくなかったことを言われたという意味でだ。
一方麗は硬直しながら、なにか恐ろしいものでも見るかのような視線をカルマに送っている。
「………ねぇ、フウちゃん」
「……なに?」
「この人なに言ってるの?」
「……ちょ、ちょっとわからないな」
さ、さすがの麗でも今のは引いたか。
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