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「………よろしくな」
転校生、いや、カルマが俺の隣に座る。
コイツ、俺の目の前だとも知らずに相変わらずクール気取ってやがる。
「おい…、俺だよ俺」
俺は小さい声でカルマに話しかける。
「む!その声は……フウマか!?」
「シー!でかい声出すな。あんま関係性を知られたくないから」
もう厄介事に発展するのだけはパスだ!
しかし、そんな俺の願いは神には届かなかった。
「お、もう仲良くなったのか。それじゃあ風馬、お前部活も入ってないんだし放課後学校案内してくれ」
「え…?」
じょ、冗談じゃない!
第一面倒だ!まさかこんな形で厄介事になろうとは……!
くそっ!朝、カルマがはしゃいでた理由はこれか!!
てことはなんだ?親が入れさせたのか?
もしかしてこのキャラも親の指示か?
途方に暮れる俺と嬉しそうなカルマを先生は笑いながら見ていた。
───放課後
「こんにちわ~」
「む、御主か」
放課後、先生に言われた通りにカルマに学校案内をしようとしていたのだが、麗がどうしても着いて行きたいと言うので麗も一緒に行動することになった。
「お前部活は?」
「休み~」
「わかるぞ、サボりだな」
はぁ…。たったと終わらせて家で一眠りしたいところだ。
「でもほんとに連れてくるなんてね~」
麗が笑いながらそんなことを言う。
「え?なんの話だよ?」
「今日の朝言ってたじゃん。『そのうち連れてくる』って」
「俺もビックリだよ……」
まさかあの何気ない一言がフラグになっているなんてな。
……それにしてもめんどくさい。
つかいっそのこと適当に校舎内うろついて案内したことにすればいいんじゃね?
そうだな、それがいい。
自分で自分を納得させて、早速その作戦を試みようとするが、麗により妨げられてしまった。
「ちゃんと案内しなきゃダメだよ」
「……あい」
でも、部活サボっている麗に言われたくないわ。
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