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30分後。
「今日は色々とご苦労だった」
「なにその上から目線」
学校案内をきちんと済ませ、今はカルマと麗と一緒に帰っている。
「だいたいなんで学校まで来るんだよ」
俺は今一番気になることをカルマに聞く。
「決まっているだろう」
「え?」
「行きたかったからだ」
「……はぃ?」
簡単すぎて逆に突っ込みどころの多い答えに、呆れて口を開きポカンとしている俺。そんな俺にカルマが学校に来るまでのことを話す。
「昨日フウマの親に泣いて頼んだのだ。フウマの言う"ガッコウ"と言うところに行きたい。とな」
「泣いてって……そこまで?」
「う、うむ。フウマが"ガッコウ"に行っている間の孤独に耐えられなくてな」
あー。まあ、確かにカルマはこの世界ではまだ人脈は少ないし、孤独と言っても間違いではない。
だからといってよ、学校まで来ることはなぁ……。
まあ泣いて頼む程寂しかったのだろう。前も言ったように所詮勇者と言えど人間だしな。それを支えるのが俺なんだ。
そう考えると、今までの面倒臭さは何処かへ吹っ飛び、使命感だけが残る。
でも麗はまだカルマのことをあんまり知らない。それ故、可笑しそうにクスりと笑っていた。
「カルマさんって面白いんだね」
まあ、仕方がないな。
「なんたって異界人だからな」
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