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「さっぱりわからん」
「偉そうにいうな」
何でそんなキリッとした表情で言うんだよ。
「むう、思い出せれば余裕なのだが……」
「教科書見ろよ」
「む、そうだったな。そうすることにしよう」
どうやら、今まで教科書の存在を忘れていたらしい。
俺は今やっている範囲を教えてやると、カルマは全神経を使いその教科書に目を通し始めた。
その後、少しの間があり、
「はいやめー」
と、先生が止めをかける。
「では、転校して間もないのですが、カルマさんお願いします」
「うむ」
先生に指摘されたカルマは、平然と黒板へ向かう。
しかし、カルマがあたるとはな。
さっき白紙だったし、まさかあの時間内で問題が解けているはずはない。現に俺も解けてないし。
さて、これから黒板の前でうろたえるカルマさんを見届けてあげますか。
はん!調子に乗ってドヤ顔なんてかますから──
「正解です。少し意地悪したつもりでしたがよくわかりましたね」
先生が少し驚いた表情でカルマを誉めていた。
なんだよあいつわけわかんねえよ。
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