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そんなこんなで、今日の授業が終わる。
どの授業でもカルマが優秀な解答をしたためか、周りからのカルマの印象はイケメン優等生と形成されつつあった。
「あれほど敬遠していた勉強だが、授業がわかると楽しくなるな!」
「う、うぜぇ…」
笑顔で俺に話しかけるカルマに今日何度目か分からない苛立ちを覚えるが、なんとか暴れださないよう制御する。
くそッ!ムカつく…!
勉強面で、俺とカルマとの差別化を計ろうとしていると、睡眠学習では負けていないことに気付く。
「これなら勝てるぞ……」
最早勝てれば何でもいいらしい。
何とか差別化に成功して哀れにも安心してしまっていると、
「えーっと、みんな席に着いてください」
級長(男子)が教卓の近くに立っていた。
「今から、来週に行われる学園祭について話し合いたいと思います」
「もうそんな時期か……」と思いながら級長の話に耳を傾ける。
カルマは何が始まるのか分からない故の期待に、胸を踊らせている様だ。
「えーっと、まずこのクラスでなにをやるかから決めたいと思いま」「メイド喫茶ぁぁぁぁ!!」
健全の男子なら言うことにすら躊躇うことを誰かが平然と叫ぶ。
あれはこのクラスで少し変わり者の刃牙じゃないか。
名字も顔もカッコいいのに性格があんな感じでアウトな非常に惜しいやつだ。
そんな刃牙の渾身の叫びだけでもクラス全体は冷たくなっていたのだが、
「私もそれでいいと思います」
なんと、級長が賛同した。
これによりクラスは氷河期を迎えた。
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