砂のお城

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 私は産まれた。暗い暗い部屋の中、ぼんやりと照らされたあなたの中で。  名は、『音々』と名付けられた。姿は、君の想像した、その通りの姿だ。そう、それが私。  潰しては創り、また潰しては創る。そして今日目醒めた私は、一体何体目なのだろうか。    目醒める度に、私を取り巻く世界が変化をする。      私はまるで、砂のお城に住む砂のお人形のようだ。        君の中にも居るのだろうか、私が。見てみようではないか、砂のお城を。        今宵も私は、君の中に目醒めるだろう。
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