消えてなお、降り注ぐ光

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 「夜空に散らばる全ての星を知るなど、私には到底できない。それと同じく、この星に散らばる人々に密かに紛れるこの私など、知り得る人は僅かに過ぎない」  不思議そうに音々を見つめる紅葉。  安心させるように微笑みを浮かべる音々。  「ただ、全ての人が知るあの星でなく、ほんの僅かでも人の目に触れられるなら、私を知ってくれているのなら、その人の為に輝いても良いって思うんだ」  ぼうっと、紅葉は眩い光を帯び始めた。  心安らぐような、優しい光。  「そう思えるなら、あんなに遠くで輝く星もこんなに近くに感じられるよ。・・・・・・君のようにね」  頬を伝う涙を、抱き寄せた音々の肩が感じていた。  ひとりぼっちで消えてしまう前に、気付けてよ良かった。  私を見つけてくれて、ありがとう。  私は覚えているから。  「ありがとう」  霧散する光は天に召され、やがて夜空に溶けて行った。  そして、誰よりも眩く輝く流星がひとつ。  小さく手を振り、歩みだす。  誰もが皆孤独。  されど、自らを認めてくれる存在に気付いた時、こんなにも輝ける。  私が消える時には、誰の心の中に残像を残せるだろうか。    音々はその答えを知らない。  今宵も星々は隠し隠され、瞬く。
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