一羽の鴉

2/16
前へ
/16ページ
次へ
「うーん、今日も頑張った!」 ころんは今日の学校を終え、傾きかけた陽の中を歩いていた。煉瓦敷きの街道、家々の間から覗く海。夕陽がキラキラと反射して、水面をダンスホールのように変える。その上では、海鳥達が踊る様に飛び、夕飯を狙っている。 そんな道の途中。 ギャア、ギャア… 鳥の、鳴き声。 餌の取り合いかな?けど、一方的みたい。一羽の鳴き声しか聞こえない。 ころんは、鳴き声が聞こえてくる脇道へと入っていった。 この先は果物屋さんの納屋の裏のはず。小さな井戸広場があるだけの小道だ。 その井戸まで辿り着いたころんは、酷い光景を目の当たりにした。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加