入院しますあまのじゃくボーイ

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彼女は言葉にしないまま数秒キョトンとし、そして閃いた。 「丁重にお断りします。ペコリ」 儀礼正しく一礼。 「さすがにそれだとフラれた感じだからツンデレ風に」 「べ、べつに友達以上の関係を望んでたんじゃないんだからね! 初めての恋人じゃないんだからね! 勘違いしないでくださいお願いします。深々」 途中、ツンデレ成分が生き絶えて、代わりに元来の彼女がやってきて深々と頭を下げた。 「こちらこそよろしく、死にたガール」 合わせて僕もお辞儀。片手片足の自由が利かないから、至極不格好だったけれど。 ────とかくこうして、僕は自分に芽生えた感情の行方を知るべく、口を悪くすれば彼女を利用した。興味本位で彼女の命に触れた。 それがどれだけ愚かなことだったか。それがどれだけ道徳に欠ける行いだったか。 巷が忙しくなり始める十二月、十六にして初めて恋に触れた僕には判断できなかった。 ただ一つ、そこに光明を見出だすならば。 僕は吹く風も凍えるこの季節に、物事と正面から向き合う難しさを痛感した。 これはそんな僕が語る僕の断片。そして僕にとっての、彼女の全てである。
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