理想を求めたお間抜けナース

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──いつだって現実は、掲げた理想の前に立ち塞がる。雄々しく、高々と。 だから、つい、逃げてしまうの。本気でぶつかる前から諦観して。 けれど引き返したところで、またべつの分岐点にはべつの壁がある。勝てない。勝たない。 そうしていつしか私達は、抗うことを諦めていくんだ。 夢と現。折り合いのなんとつけづらいこと。両方を掴むのなんて、ぶっちゃけとってもムリっぽい。 だから────決めた。 私はマジカル天使美咲ちゃん。 ひたむき根性の魔法で、理想を現実に変えてやる。 項垂れる準備はできたかしら、現実くん。ちょっぴり痛いかもね。先に謝っておくわ、ごめんなさい。 ──ってわけなんで、今からその壁、ぶっ壊しにいかせてもらいましょうか。 他の誰でもない自分の正義に誓います。もうこの理想(信念)は放しません。
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