1人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
◆◇◆◇◆
栃木県某所、某高校の屋上にこの春から新しく、フェンスが取り付けられる事になった。
金網ではなく、フェンスである。
高いフェンス。
正直僕はその、フェンスというものに並々ならない憧れを抱いていた。。
暖かい太陽の差し込む空間で彼女や友達とお弁当。
放課後にはキャッチボールとかしてみたかったのだ。
あぁ憧れのフェンス付き屋上。青春とロマンスの象徴の屋上。本当の本当に、待ち遠しい限りである。
取付工事が終わるのは5月の暮れになるそうだ。
まぁいい、僕の青春はのんびりとしているのさ。
なんてことを思っていたのはいつだったか。今思うととても懐かしくなる。
僕がある日目を覚ますと、そこはフェンス付き屋上で、僕はそこに閉じこめられていたのである。
僕とソレの小さなフェンス戦争の始まりだった。
◆◇◆◇◆
最初のコメントを投稿しよう!