弱肉強食の世界

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話しは一時間前に戻る。 その日、僕らは森の中に隠れたように建設されている基地に居た。 「あぁ~もうっ!なんで能力者が私達のような能力無し(ノーマル)を狩ってるのさっ!!」 隣では僕の双子の姉のハルがイライラしながら椅子に座っていた。 「仕方ないよハル…。 ぼくら反乱者(イレギュラー)達は毎日能力者達を襲ってるんだから…」 ハルはフンッ!と鼻を鳴らして顔を背けると足を組んだ。 「はっ!あんな独裁的な能力者達は、革命起こさないと元に直らないのよ!」 うう~ん、と僕は唸った。 たしかにハルの言う事は正しいよ。 能力を持った人達が僕達のような能力無し達をまるで家畜の様に扱っているんだから。 「…ったくぅ。シュン!あんたも男の子なんだから死ぬ気で戦って、沢山の能力者達を倒して来なさいよ!」 そうは言われても、僕は弱いし臆病だし…。 それだったら強気で行動力のあるハルがやればいいじゃないか。 でもそう言ったら今みたいに「男の子なんだから」て全てまとめられてしまう。 僕は口も弱い。 「フンッ……全ては能力を発見した奴が悪いのよ…!」 「そ、そんな…。その人だって、平和や豊かさのために能力を……」 僕が言い終わる前にハルは椅子をダンッ!と叩いた。 それにビックリして言葉を止める僕。 「ソイツが……悪いのよ…!」 僕は俯いて肩を震えさせているハルをただただ見ているしかなかった。
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