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「はぁ……はぁ…」
もう後戻りは出来ない。
だからといって、前進することだって出来ない。
痛いよ…。
ハル……助け…て…。
飛ばされた火の玉は僕の真脇の木に当たった。
僕は倒れていたから爆風は耐えたけど熱気が傷口を通して痛みに繋がる。
「ハハッ!今のはわざとだぜ?次はその顔にぶち当ててやる!!」
そう言ってまた火の玉を作り出した敵。
今度こそは………そう思った時。
視界の先……敵の真後ろにこん棒を持ったハルがいた。
ハル…!さっきの声で気付いてくれたんだね…!
そしてハルが一歩ずつ近付き
「やぁぁぁっ!!」
勢い良く跳んで、敵を真後ろからこん棒で殴り付けた。
……しかし敵は右に少し逸れるとハルの攻撃をかわした。
「えっ…?なっ……うぐっ…」
そして避けた敵はハルの首を掴んで持ち上げた。
「ハハハッ!自分からやられに来るなんて、どこの馬鹿だよこのガキ!?」
下品に笑いながらハルを脅す敵。
ハルは必死にもがきながら抵抗し続けた。
「ハハハハァ……。冷めたな……」
そう言うとハルを僕の方に投げた。
ハルはそのまま僕の真上に落ちると、僕に顔を近付けた。
「はっ……はぁ……シュン…っは……大丈夫…?」
「う、うん。でもハルが…」
「大丈夫…。シュンよりは…ね…」
ハルはさっき掴まれた時に、首を強く握られたらしく呼吸をしずらそうにしている。
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