弱肉強食の世界

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「アッハッハァ! マジで焼くとどうなんのかなぁ!? 俺、人焼くの初めてだから……火加減はぁ!出来ねえぞぉ!?」 …おかしいよ。 何で人間同士で殺し合いなんてしないといけないのさ…。 「ヒャハハハハハァ…」 こんな世界で……みんな一人一人違うのに…何で力を比べ合うのさ…。 「はぁ……シュン…逃げ…てぇ…」 何で一人は誰かより上じゃないと満足出来ないの。 「ヒャハハハハハァ! 死ぬか焼かれるか消し炭になるかしやがれやぁぁぁ!!」 何で 救えないのさ…。 その力で…… ………人を…。 爆発音。 さっきよりも大きく、凄まじい爆風と熱風を発しながら、小さな火の玉だったそれは大きな爆炎を生み出した。 「クッククク……クヒャヒャヒャ………ヒャハハハハハハハハハァ!」 ……体は痛くない。 辛くもない。 ああ………死んじゃったかな…。 「ヒャハハハハ…………ハァ?」 でも敵は僕を「見上げ」ながら目を丸くしていた。 ……あれ?何で僕浮いてるんだろ? やっぱり死んでて、幽霊になってるのかな? 「…………? 何これ……何で私浮いて………シュン?」 隣にはハルが綺麗な何かの上に乗っていた。 それは手のような物だった。 「シュン……それ…。 背中のそれ……何?」 ハルも目を真ん丸ににしながら、僕の背後を指差した。 「?」 僕はハルの指差す方に首を回してみた。 そこには 透明の銀のような翼が生えていた。
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