弱肉強食の世界

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「な…なに……これ?」 それは背中だけではなかった。 手にも同じ色の腕のような物が着いていて、それがハルを持っていた。 翼や腕からは雪のような白い粉がパラパラと振り撒かれていて綺麗だった。 …ってそうじゃなくて。 これってもしかして…能力(スキル)? 能力(スキル) それは14年前に、ある人物が発見した人知を超えた超能力のような力のことだ。 これはみんながみんな持ってるわけではないらしく、能力が潜在してるかしてないかで、能力を得られるか否かが分かれる。 この人物は能力発見後に行方不明。 その後も能力は世界中の一部の人々が手に入れていった。 そしてその能力の有無による差別も生まれた。 能力を持たない人々はまさに家畜の様に扱われている。 男性は過度な労働。 女性は性処理道具や見世物。 用途は様々だが、どれも酷いものばかりだ。 そしてそれに対して反抗する勢力が現れる。 それが僕達「反抗者(イレギュラー)」だ。 一対一では勝てないから一人に三人掛かりで戦闘してようやく倒せるような感じだが、その反抗は世界各地で行われるようになった。 その反抗を見逃せまいと考えた政府は、反抗者狩り(イレギュラーハント)を定期的にするようになった。 それは更なる反抗者の増加を誘い、血を血で洗う紛争になってしまった。 そして今に至る。 「なっ…あぁ!?」 もう驚き過ぎでみんな口が閉まらない。 「そんな……。 その羽………祖能力(ファーストスキル)のと同じ…!?」 祖能力?たしかそれって…。 「間違いねぇ…! ありゃあ……白銀の翼だ!!」
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