弱肉強食の世界

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それって確か、世界を変えてしまったって言われているあの伝説の? 世界に新人類の可能性を見せ付けて、世界中の人々の心を変えて消え去った。 「ヒ…ヒャヒャヒャ………なんだぁ…なんなんだぁ……なぁんなんだよぉぉぉぉ!?」 この翼が伝説と一緒の翼なら……何で僕がその能力を手に入れられた? こんな非力で軟弱な僕に…。 「は…ハル…。これ…どうしよう…?」 隣のハルは未だに信じられないような顔で僕を凝視している。 どうすればいいんだよ…。 こんな力を手に入れも…この状況じゃあ……逃げるしか… 「し、シュン!戦うわよ!」 「えぇ…。無理だよハル…。 僕なんかじゃ、やられるのがオチ…」 「男の子ならグダグダ言ってないで、血の一滴でも流しなさいよっ!」 そんな無茶苦茶なぁ…。 でも、この敵を呼び寄せたのは僕らなんだ。 ここで逃げて場所を特定されたら、次の反抗者狩りで殺されるかもしれない…。 「ハルぅ……」 「シュン、男を見せなさい…!」 僕はハルの最後の一押しに負けて、諦めて敵に顔を向けた。 逃げちゃだめだ……だめなんだ…。 守らなきゃ……だめなんだよ…。 「くっ…。だぁ…かぁ…らぁ…」 能力は人を殺すためだけの力じゃないって… 「なんなんだってぇのっ、このガキ共がよぉぉぉぉ!!?」 証明しなくちゃ…! 僕は力いっぱい敵に向かって飛ぼうとした。 …………でも。 「う、うわぁぁぁぁ!?」 上手くコントロールが出来なくて、空中をグルグルと回るだけだった。 「きゃぁぁぁぁぁ!? ちょっと…シュン!?真面目に戦いなさいよ!!」 そんな事言われたって…。
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