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――昼休み…。
「なぁ、特別授業って何だと思う?」
あからさまに楽しそうな顔で修仁が聞いてきた。
「ん~…。映画鑑賞とか?」
「保険の実技?」
「無いな」
「そうだな」
二人は頷いた。
「何やってんだ?お前ら。保険に実技が入ればイイな~♪なんて期待してたのか?」
「なぜわかったし(笑」(修仁)
「なぜわかったし」(丈)
しまった。口走ってしまった…。
「ほっほーう。お前ら、死ぬ覚悟は生まれた時から出来てたんだろうな…」
いや、俺にはそんな針山アリ地底アリの人生を送る気なんてザラザラないぞ…。
そんなことより(どうでもよくないのだが)、今まさに食いちぎって来そうな猛獣(約魔獣)がポキポキと音を鳴らしながら恭叶姫が近付いて来た。
「や、ちょ、待つんだ恭叶姫。きって話せば分かる」
「え、ジョー、姐さんの事を『姫』って呼んでんのか。意外だな」
「って、今はそんなことを気にしてる場合じゃないだろ」
「そうだ姐さん!俺が普通の話をしていたら、ジョーが保k…ぶぅはぅっ!?」
「黙れ。んなもんどうでもいいんだよ」
入った~!!浄清院選手のボディーブロー!見事に松阪選手の隙をついて腹を突いた~!
実は俺も一発横腹に入れてたり入れてなかったり…。
「…で?今の話は本当なんだな?そうか、よし…」
恭叶姫はそう言って、再び構えた。その背後には、鬼……というより何故か、金剛力士像っぽいのが見える。必殺技に『月光パニッシャーぇェ!!』とか叫びそうだ。
「ちょ、もちついてもちついて。話せば分かる…っていうか、さっき『んなもんどうでもいいんだよ』とか言ってなかったっけ?」
「問答無用ォ!!」
「ぶぅはっ!?」
せめて必殺技を叫んで欲しかった…。期待を裏切るなんて、恭叶姫…恐ろしい子…!
教室という名のリングに、修仁と共に突っ伏した。
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