とある孤立者(ぼっち)の人生迷走(ストレイング)

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まず一言。 「でけぇ」 どれぐらいでかいかって言うと熊より二回り大きいくらい。かなりでかい。 次に見た目だが……うん、綺麗だ。 体には朝日に光る白銀の毛が生えており、逞しい前足と、前足より少し短くて細い後ろ足、広い背中から腰、長い尾の先などを豊かに覆っている。 それ以外の部位は青白い何かの紋様が描かれていて、これも何か高級な装飾品のように美しい。 動物としては他に類を見ない偏った体型をしているが、全体的に見ると上半身が特に発達しているようで、凶悪な爪の生えた特徴的な太い前足が、その攻撃性の高さを物語る。 獅子とも虎とも狼ともつかない凛々しい顔を見ると、ひとまず今は眠っていることが分かった。 分かりやすく何かに例えるとしたら、モン○ンのジンオ○ガに似通った部分が多くみられる。 しかし、ジ○オウガは孤高の王者としての強さを象徴的に表しているが、こちらはむしろ神々しい美しさを感じさせる。 こいつ雷属性かな。残念だが氷の武器持ってねぇわ。 第一印象は『でかい』。 第二印象は多分『かっけぇ』かな。 そして第三印象は…… 「もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ!!」 『もふもふ』だ。 何このふわっふわの毛。こんな柔らかくてすべすべの動物の毛とか初めて触ったわ。 『ふわふわ』じゃない、『ふわっふわ』だ。 思わず抱きついて頬擦りしていた。 実は俺、動物大好きなんだよ。特に犬。でも毛が生えてる動物はみんな好きだぜ。猫とかハムスターとか。 もちろん、この謎の生物も例外ではない。 ましてやこんなに気持ちいいもふもふなんだ。抱きつかずにいられるか! 「もふもふもふもふもふもふ!!」 「ガルルルルルル……」 後悔はしていない。 そりゃあ起きるよね。 さて、俺は逃げ切れるか? 1:俺のハイスペックな身体能力をもってすれば逃げ切れるはず。 2:ここでこいつから逃げるための名案が思い付く。 3:逃げられない。現実は非情である。 答えは……3だよチクショーメー! 逃げられるわけねぇーだろぉーぇー!? 某炎の熱血テニスプレイヤーさんが 「諦めんなよ!! 諦めんなよお前!! どうして諦めるんだよそこで!! お前回りのこと見ろよ!! 応援してくれてる人たちのこと(略)」 って励ましてくれたって、いくらなんでもこれは無理でしょ。
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