平成の光源氏

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「あの…先程はすみませんでした。お約束どおり、お伺い致しました」 「おう、上がれ、上がれ」 硬いゆき乃に、光流は軽く答える。 ゆき乃は社務所に通され、あぐらで座る光流の向かいに正座した。 (なんか気まずい…) うつむいていた光流は顔を上げ、口を開く。 「昼飯・・・食ったのかよ」 唇を尖らせて、ボソっと聞いた。 「はい。食べてきました」 「そうか…」 「……」 会話に詰まったゆき乃は、黙る。 「…悪かったな」 光流は、更に小さい声で、ボソっと呟いた。 「え?」
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