三囲神社の巫女

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 墨田区、向島にある三囲神社(みめぐりじんじゃ)。  江戸時代に日本橋三井越後屋を創業した三井高利(みついたかとし)と一族が熱く信仰した神社だ。  呉服屋として大変繁盛した三井越後屋は、時代劇での「越後屋、おぬしも悪のう」の越後屋のモデルとなった。その三井越後屋とは現代の三越デパートである。  現代でも三囲神社と三越の縁は深い。三越の本店、支店の屋上には三囲神社の分社が建立され、三囲神社境内には三越のシンボルであるライオン像が奉納されている。  その三囲神社の祖は元々、田んぼの中の小さな祠(ほこら)だった。祠が改修される時、地中から白狐に乗る老人の神像が掘り出された。  すると、どこからか白狐が現れ、神像の周りを三周回って天へ昇ったという。そこから、三囲神社の名はついたのだ。
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