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「はい」
浅草神社の社務所のインターホンを押すと女性の声で返事があった。
ゆき乃は緊張の面持ちでインターホンに向かって話す。
「三囲神社の三井ゆき乃と申します。藤原光流さんとのお約束で参りました」
「はい、うかがっております。少々お待ちください」
ゆき乃は声の主の女性を待った。
ガラ!
引き戸が勢いよく開けられた。
「おぅ、ちゃんと来たな」
出迎えたのは、藤原光流だった。
さっきの神主の装束から私服に着替えていた。
腰まである黒のカーディガン、ジーンズ、首元にはボリュームのあるストールを巻いている。
烏帽子姿から一変して、クセのある黒髪は今どきのヘアスタイルだ。
(ちょっと、チャラそう・・・?)
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