平成の光源氏

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ゆき乃はうつむいた。 ポタ…ポタ… 同時に膝の上に涙がこぼれ落ちる。 「はぁぁ。なんなんだよ、笑ったり泣いたり。花川戸では強気だったのに、泣き虫キツネ!」 「あの時は正体を知られて動揺してしまって。…初めてだったので、すみません」 「白狐も普通の女のコってことか…」 そう言いながら光流は「涙を拭け」とティッシュを差し出した。 ゆき乃は受け取って涙を押さえる。 「よっしゃ、自己紹介しよーぜ!」 そう言って光流はあぐらをかいている膝を打った。
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