平成の光源氏

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「俺は浅草神社の権祢宜(ごんねぎ)。藤原光流。19才」 そこまで早口に言うと、急に小声になる。 「副業で妖怪退治をしてる」 「妖怪退治…」 ゆき乃も小声になり、繰り返した。 (じゃあ、今回が初めてじゃないのね) 「副業のことは、他言するなよ」 光流はバツ悪そうに言った。 きっと祢宜(ねぎ)である父親には内緒なのだろう。 「分かりました」 ゆき乃は頷いた。 「んで、お前は?」 「はい。私は三囲神社の三井ゆき乃、17才です。浅草高校の二年生です」 「お前、女子高生なの?うわー」 ※権祢宜、祢宜…神職の階級
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