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フサ…
(あれ!?)
美津の後ろ姿に一瞬だけ金色の尾のようなものが見えた。
豊かな金色の毛並みが美津の腰から足元にかけて揺れた気がしたのだ。
次の瞬間、襖はスッと閉じられ、見えなくなった。
「何か、見えたのか?」
パチパチと瞬きを繰り返すゆき乃に光流はお茶をすすりながら聞いた。
「あの…美津さんの後ろに…」
「あの人、キツネだよ」
戸惑うゆき乃の言葉を遮るように光流は言った。
「えぇっ!」
いとも簡単に光流の口から出た言葉が信じられず、ゆき乃は口元を両手で押さえた。
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