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それから、また暫くの時が流れた
(もう、寝ようかな)
等と考えてしまうくらいに時はたち続けた
『やっほ~☆
みんな元気かな?』
突然かかった車内アナウンス
周りの人達が肩を大袈裟なくらいにはねあげた
『あれぇ?
みんなもう何も言わないの?つまんないなぁ~』
心底つまんなさそうなその口振りに、颯は言った
「お前は何が目的なんだ?」
同じ車両に乗っていた人間は、皆、茶色く、少しクセっ毛のついた髪の少年に視線を向けた
勿論亜莉沙も
『クスクス……君は僕が恐くないんだ?』
どこか楽しそうな笑い声がここにいる人間達の恐怖心を煽る
「…別に、特別何も感じねぇよ」
颯の瞳には恐怖も、憎しみ等の色も映していなかった
『おもしろいねぇ、君♪
今のところ、一番だよ☆』
何がだよ
そう心で悪態をつきながら颯は言う
「そんなのはどうでもいいからさ、もう帰してくんね?眠いんだよね」
『…………ん~…まぁいっか☆
颯が気に入ったし♪颯に免じて、ここまでにするよ』
………何で俺の名前知ってるんだよ…
『生き残ったみんなは第一試練合格ですよっ!!忍耐力が高くなきゃ…ね♪』
「にん……たい、りょく?」
隣で亜莉沙が呟いていた
『クスクス………亜莉沙、君には期待してるんだから、次では頑張ってね♪』
『まったね~ぃ☆』
そう言った瞬間、景色が白くなり、意識が遠のいていった
その刹那、なにか、とても大切な"何か"を見た気がしたんだ
《颯……………》
何だろう
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