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少年は駅に着き、家の最寄り駅行きの電車に乗り込んだ
おかしい
彼は疑問を感じた
それも当然だ
何故なら…
もう10時だぞ!?
なんでこんな………
人がいんだよ!!
そこは息苦しさを感じるほどの人がいた
朝の通勤ラッシュの時間帯でしかこの地域はあり得ないハズなのに
所謂…満員電車
「おかしいだろぉ……」
ただでさえ酔いやすい少年=颯は弱々しく呟いた
ガクっ
「!?」
「ふぇ!?」
電車に急ブレーキがかかり颯は堪えきれず、隣の人にぶつかってしまった
「す……すいません!!」
まだバランスがとれず、寄りかかってしまう体制で颯はあわてて謝罪する
「い……いえ、大丈夫ですよ」
「///っ」
声を聞き、顔を見てみて驚いた
自分が今寄りかかってしまっている相手は、とても可愛らしい長いロングヘアーの同い年くらいの少女だった
「あれは驚きますよね」
少女は苦笑しつつため息をついた
「何かあったのかな…」
オレがぼそりと呟いた言葉を聞き、彼女は不安そうに顔を歪めた
「帰……れます…よね?」
少女は鞄を持つ手に力を込めた
颯は不思議に思った
確かにもう夜遅いし、平日だけど、そこまで心配することか?
しかし、そう思と同時に、自分も言い様のない不安に襲われていた
「あの…『え~』
取り敢えず彼女に声をかけようとしたら、突然かかった車内アナウンスに遮られた
『皆さんこんばんは!』
?……何かおかしくね?
『こんな夜遅くまで、み~んな悪いこだねぇ』
なんだ…?
機械を通したみたいな…
『みんな悪い子♪悪い子♪だから、このゲームに乗ってね☆』
は?ゲームって何だよ……
心中悪態をつきながらも
機械を通したような、そしてこの子供のような話し方に、うそ寒い違和感と拭いきれない不安が脳内を埋め尽くす
ふと、隣にいる彼女のほうに目をやると、やはり顔をひきつらせていた
周りを見渡しても、反応はそれぞれだが良くは思ってないようだ
そんな彼らの心中を知ってか知らずか、不気味な声の主は話を続けた
『今から皆さんには~
殺し合いをしてもらいます☆』
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