遠い、隣

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―――カシャン。 自宅の玄関の戸に手を掛けると、タイミング良く隣の家からも門扉を開ける音が聞こえて、なんとなく振り向いた。 視線が交差した。 黒い学ランに、黒い頭。 相変わらずのつり目で、唇が薄い。 あたしの幼馴染み、相庭 遼(あいば りょう)に間違いない姿。 お互い特に挨拶することもなく、自宅に入る。 バタン。 玄関が閉まる。 ローファーを脱ぎ散らかして、階段を登って部屋に突き進む。 ベッドに化粧品とiPodしか入ってない、スッカスカの鞄をベッドに投げる。 制服を脱ぎ散らかして、楽な格好。 化粧もシートで落として、ベッドにダイブ。 「あー落ち着いた」 明るめの長い髪が、シーツに散らばる。
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