4人が本棚に入れています
本棚に追加
―――カシャン。
自宅の玄関の戸に手を掛けると、タイミング良く隣の家からも門扉を開ける音が聞こえて、なんとなく振り向いた。
視線が交差した。
黒い学ランに、黒い頭。
相変わらずのつり目で、唇が薄い。
あたしの幼馴染み、相庭 遼(あいば りょう)に間違いない姿。
お互い特に挨拶することもなく、自宅に入る。
バタン。
玄関が閉まる。
ローファーを脱ぎ散らかして、階段を登って部屋に突き進む。
ベッドに化粧品とiPodしか入ってない、スッカスカの鞄をベッドに投げる。
制服を脱ぎ散らかして、楽な格好。
化粧もシートで落として、ベッドにダイブ。
「あー落ち着いた」
明るめの長い髪が、シーツに散らばる。
最初のコメントを投稿しよう!