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体育館の椅子にキチッと座っている状態で先生方の話を真面目に聞いていると、
「なあ、セバス=レイ。」
いきなり話しかけられた。
「なんでしょうか?」
「あ、オレはキルギス=ルワンダ。キルでいいぜ。あ、あんたの事はセバスって呼ぶな。」
だらしなく制服を着飾って髪の色が赤と青に分かれてる。
そのくせ瞳には汚れがないような黒。
どこか憎めない印象をもった男だ。
「い、いきなりで悪いんだけどよ…な、なんで燕尾服なんだ?」
当然の疑問である。自分自身いまいちわかっていないので答えようがない。
だが、キルが次に放った言葉がセバスを驚かせる。
「まさかとは思うけどよ、生徒会長から‘制服’として贈られてきたわけじゃねぇよな?ただのコスプレだろ?」
最後の方は聞き流したが前半の方は大正解だ。
「なんで分かるんですか?」
セバスは素っ頓狂に質問で返す。
「ま、まじかよ。異例中の異例だろ。それ…。そして、その燕尾服の意味を知らないお前にも驚かされるわ。まぁ、いいや。この入学式の最後あたりで全部わかるよ。」
キルは、指をクルクル回している。
どうも落ち着かないらしい。
額には冷や汗らしきものがうつる。
「一年でってまじかよ…」
まだ呟いている。
セバスはいまだに意味がわからない。
とりあえず式が進まなければわからないみたいだ。
はやく進めと念じながら先生方の話を聞いていた。
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