プロローグ

4/4
前へ
/104ページ
次へ
人にいじめられた俺が身に付けたもの、それはねじ曲がった正義感だった。 何か困っている人は見逃せない、まさしく偽善。 「ぼ、僕が何したって言うんだい!? ぼ、僕は何も…………。」 「そういうのは、やった相手の顔見て言え。」 弁解もさせずに殴り倒して気絶させる。 周りのやつらが何事かと集まってくる。 まずい、死ぬほど面倒くさい事になりそうだ。 俺はそこから一番近くの駅で降りて、騒ぎが大きくなる前に駅から離れていく。 この駅から、自分の家まで五キロ。 「しくじった…………。」 だが今さらどうしようもない。 五キロ歩くか。 入学式初日も俺はやっぱり一人だった。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

934人が本棚に入れています
本棚に追加