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ダイニングに着くと、十人前以上の食事が乗る、大きい長方形のテーブルがあり
既にグリードとエレンは上座に座っていた。
「お待たせ!父さん、母さん」
「おはようございます、お母様、お父様」
「おはよーございます、おとーさま、おかーさま」
「うん、二人ともおはよう」
三人は席に座りながら、両親に話しかけ、父がそれに答えた。
「ゼロス、ありがとう。
おはよう、二人とも良く眠れたみたいね」
エレンもゼロスにお礼を言いつつ、姉妹に朝の挨拶を返した。
「じゃあ、早速いただこうか!母さん頂きます」
「「「いただきます」」」
「はい、召し上がれ」
エレンの返事を合図に、各々朝食を取り始める。
ファルニード家では、貴族にしては大変珍しく、エレン自身がほぼ毎食作っている。
元平民である、エレンは元々料理が得意だった上に、更に屋敷の料理人達に色々教わった結果、今では料理人顔負けの腕前なのである。
ここルーセンバルトの食文化は地球とそこそこ似ており、転生当初は不安だった食の問題もすぐに解決された。
牛や豚に良く似た家畜の存在に加え、豊富な自然の恵みがあり、獣や魚も多岐に渡って獲れるので、食材の種類は日本より多い程だ。
特にランゼイル王国は、ルーゼンバルト大陸中心に位置しており、物流の経由地となる為、様々な食材が流通している。
地球と同じ食材は存在しないが調理法も大体似通っており、奇抜な食材もよほど自身で希望しない限り、街中でお目にかかる事は無い。
ちなみに、今朝の献立はトーストとベーコンエッグにヨーグルトのフルーツ和えである。
ベーコンエッグは、ドランドという豚に似た動物のベーコンと、ノーンという鳥の卵を使っている。
朝食を半分程食べ終えた、グリードが、ゼロスに話しかけた。
「そういえば、今日は遊びに行くのか?」
「んー、そうだね!多分カイル達も来るだろうし近くの公園に行くよ!」
「カイルといえば、アグレスの次男だったな!
気をつけて行ってくるんだぞ」
「うん!」
ゼロスが元気に答えた。
カイルとはグリードの親友の次男の名前で、ゼロスの友人だ。
「えりーぜもおにーさまとあそびたいのー!」
「あらあら、エリーゼはお母さんと一緒に遊びましょう。
エミリアはどうするの」
「私もお母様とエリーゼとご一緒します」
姉妹は母と一緒に過ごすようだ。
その時、呼び鈴の音が響いた。
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