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翌日、いつものように張遼達が待ち構えていました……私は呂布の実力を見極めるべく呂布に同行しました。
「よう!呂布……そのバカと友達になったんか?……だったら友達からも集金しないと不公平だよなぁ~?」
「貴様達にやる金は無い!」
呂布がきっぱりと断ると、まさか断られると思っていなかった張遼達に動揺が走ったようです。
「……なぁ、呂布……そのバカに何を吹き込まれたか知らんが、お前が俺達のカモだと知って他の奴らは、お前に手を出さないんだぞ!……その辺をもう一度考慮して、おとなしく金出せよ!……そうすれば、今の暴言は忘れてやるから♪」
「何度も言わすな……貴様達にやる金は無い!」
「どうやら痛い目に遭いたいらしいなぁ~♪……今までの呂布は賢くて好きだったんだが、そのバカが現れてから呂布にもバカが伝染[うつ]っちゃったんだな?」
「さっきから『そのバカそのバカ』うるさいですね!……私の名前は陳宮と名乗った……」
その時、張遼の隣に控えていた雑魚の一人が、私の顔面目掛けてパンチを繰り出してきました……私は、そのパンチを確認しつつも身体が反応出来ずに殴られる覚悟をしていると……
『パシィ~ン!……グシャ!』
呂布が雑魚のパンチを受け止め、そのまま雑魚の拳を握り潰していました……そして雑魚が拳を握り潰されて悲鳴を上げる前に雑魚の身体を持ち上げて、もう一人の雑魚へと投げ付けたのでした……一瞬にして二人の雑魚を倒してしまった呂布……やはり私の目に狂いが無い事を確信しました。
「い、一瞬にして二人を……」
普段は冷静そうな張遼ですが、この時ばかりは驚きの余りに冷静さを失っているように見受けられました。
「どうしましたぁ~?……張遼さぁ~ん?」
「くっ……こうなったら一対一[サシ]で勝負だ!」
「初めっから、そのつもりだ……」
張遼のヤケクソにも思える挑発に、昨日までの呂布じゃく、最強武将の風格まで漂い始めた呂布の応えは冷静でした。
「ち、違う!……呂布じゃなくて、そっちの!……えぇ~と……陳宮だ!陳宮!……尋常に勝負だ!」
呂布に向かって勝負を挑んでいるものと思い込んでいたら意外にも私への挑発とは……呂布と私は呆気に取られて目がテンになってしまいました……
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