少年呂布との出会い

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私が呂布と初めて出会ったのは、二人とも十歳を過ぎた頃……現在でいうならば小学校の高学年くらいの年頃でした……呂布との初対面での印象は、身長が180センチを越える大男で、しかも筋骨隆々のゴリマッチョ……さらに印象的だったのは、髪は栗色に美しく輝き、鋭い目つきのその瞳は碧く爛々[らんらん]と輝いていて、鼻は猛禽類[もうきんるい……鷹や鷲などの肉食鳥]の嘴[くちばし]のように高くそびえ立ち、キリリと結ばれた口の周りには、丁寧に処理されてるものの、毛穴の様子から髭も生えるものと想像できました……そんな呂布を見た感想は(こんな大人になりたい♪……栗色の髪も碧い瞳も高い鼻も……僕も大人になったら、この人のようになりたいな♪)と、凄く憧れたことを今でもはっきり覚えています……そんな第一印象だったので呂布の年齢を初めて聞いた時は我が耳を疑ったものです(笑) そんな呂布と初めて出会った場所は涼州という地方都市で、この涼州は周りを異国と接しており、異民族の出入りも激しい地域なので、呂布の本当の父親は異国人ということを後で呂布の口から聞く事になるのですが、都の洛陽で生まれ育った私には、呂布が異国人とのハーフだった事なんて当時は知る術もありませんでした…… 洛陽出身の私がなぜ涼州に行き、呂布に出会うことになったかというと……それにはまず、私の家柄から説明しなければなりません……私の家は三公……現在でいう、総理大臣クラスの特別職を輩出するほどの名家で、もし後漢の時代が平和に続いていたならば、私もエスカレーター式に出世しているはずでした……しかし!……それは時代が許しませんでした……
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