少年呂布との出会い

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私が子供の頃には黄巾賊の活動は始まっていましたが、まだまだ各地で小規模な略奪を働く小悪党と、いった程度と認識していましたが…… 父「確かに、この洛陽周辺には黄巾賊の勢力は見受けられない……しかし!地方によっては毎日数百人単位で賊徒を増やしてる地区もある……このまま捨て置くには余りにも危険……悪い芽は早いうちに刈り取ればならない……」 陳宮「それで父上が皇帝陛下に進言されたのですね?……しかし、国を憂い進言されたのになぜ涼州に左遷させられねばならないのです?」 父「帝は、この父の進言を聞き入れてくれた……何進将軍を総大将として十万以上の討伐軍を派遣する計画を練ろうとした………その時、帝と二人きりで密談していたはずが十常侍が現れ、討伐軍の派遣は出来ない!と帝に迫った……」 陳宮「あはははっ♪……いくら皇帝陛下に迫っても、どちらの意見が正しいか馬鹿でも解るでしょう?……十常侍って、宦官達のリーダー十人でしょう?……宦官は切れ者揃いって噂だったけど、意外にアホなんですねぇ~♪」 父「………」 陳宮「……って、父上?……なんかメッチャ表情が暗いんですけど?」 父「………」 陳宮「もしもぉ~し?……パパァ~?」 余りに暗い表情の父に、わざとおどけてみせるが相変わらず父は、まるで石像にでもなってしまったかのように動かない…… 陳宮「じゃ……もしかして……」 石像のように固まっていた父が小さく頷く…… 陳宮「マジかよ~!!……そんな腐れ側近と傀儡皇帝じゃ、漢の国も先が長く……んぐっ!……むがんっ…… 興奮して叫んだ私の口を、父が慌てて塞ぐ…… 父「馬鹿っ!声がデカイ!……十常侍の密偵が屋敷の周辺に潜んでいるかも知れぬのだぞ!……公台の言う通り今の帝は宦官の傀儡だ……十常侍は帝に直接意見を述べる俺が目障りで、涼州に左遷するよう帝に上申したら、あっさり認められたのだ……しかも文官の俺に討伐隊の隊長まで命ぜられた……」 陳宮「えっ♪……父上が黄巾賊討伐隊の隊長なんですか♪……名誉なことでしょう♪……僕もお手伝いしたいくらいですね♪」 父「いや……涼州の黄巾賊の勢力は十万以上と聞く……それに対して俺が預かった討伐隊は二百だ……」 陳宮「た、たったの二百ぅ~?」
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