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陳宮「しかし、たったの二百の討伐隊でどうやれば十万の黄巾賊を倒すのです?」
父「ふふっ……たった二百の討伐隊で十万の黄巾賊を倒すなんて、過去の名軍師、孫子や張良が指揮を執っても不可能だろうなぁ~」
陳宮「えっ♪……孫子や張良でも不可能な事を父上は成し遂げようとしてるんですね♪」
父「いや……絶対に無理だ!……二百の討伐隊だけでは……」
陳宮「だったら、なぜ自信あり気な顔してるんです?」
父「べつに二百の討伐隊だけで十万の黄巾賊に向かう必要はあるまい……現地で兵を募り、訓練を施してから黄巾賊に対する……時間はかかるだろうが、洛陽から大量の兵を動員できない以上、そうするしかあるまい?」
陳宮「なるほど♪……では時間はかかっても、十万の黄巾賊を討伐できる自信があるのですね♪」
父「いや!ない!」
陳宮「ちょっと!そんな自信満々に否定しないでくださいよ!」
父「自信がなくても勅命ならば仕方あるまい……」
陳宮「そうですね……時間はかかっても黄巾賊を討伐し、この洛陽に凱旋しましょう♪」
父「そうだな……」
小さく頷いた父の横顔は、どこか寂しいそうで、もう二度と洛陽に戻れまいと悟っていたようです……
程なく、私達陳家と二百名の討伐隊は洛陽を出発……三ヶ月もの長旅を経て涼州に到着したのでした。
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