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父の左遷により涼州に着いた私達陳一家……父は黄巾賊討伐のため、慌ただしく準備を始めました。
そんな忙しい父ですが、息子の私を都の高級官僚へ就けるべく、暇を見つけては私へ勉強を教える事を忘れませんでした。
しかし、この涼州にも都にある学習塾にも負けない塾があることを聞いた父は、私をその学習塾へ通わせる事にしたのです……その学習塾にいたのが呂布でした。
「陳宮です……父の転勤により涼州に参りました……早くみなさんと友達になれるよう頑張ります……仲良くしてくださいね♪」
初めて塾に行き、緊張しながら挨拶しました……洛陽にいた頃から私は、父や母、それに教育係の者達から教育を施されてましたから勉強では負ける気がしませんでした……そして私は先生から呂布の隣の席に座るよう指定されました
「陳宮です……よろしくお願いします。」
「………」
隣の席の呂布に声をかけると、軽くシカトされました。
「あのぉ~……あなたは立派な体格をされてますが、ここの先生ですか?」
「………」
相変わらずのシカトです……しかし怒りのためか一瞬、眉毛が『ピクン』っとなったのを、私は見逃しませんでした……
「無理無理!……コイツに何を問い掛けても返事しないよ!……ちなみにコイツは先生じゃなくて生徒だから……名前は呂布……あっ!俺の名前は高順♪ヨロシク♪」
呂布の代わりに高順と名乗るハナタレ小僧が屈託のない笑顔を浮かべながら答えました……その笑顔には、どこと無く人を引き付ける何かを感じましたが、まだ声すら聞いていない呂布の存在感に比べたらちっぽけなものだったかも知れません。
「ヨロシク高順君……これからも、わからない事があったら教えてね♪」
高順の笑顔に負けないくらい満面の笑みで応えました……それから授業が終わるまで呂布は、ひと言も喋りませんでした……そんな呂布に興味を覚え、呂布をストーキングする事にしました♪
呂布をストーキングしていると前方には、呂布よりは小柄なものの、なかなか立派な体型のゴロツキ三人組が待ち構えていたのです……
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